河野脳神経外科病院Kawano Neurosurgical Hospital

二次救急指定病院・一次脳卒中センター・認知症疾患医療センター097-521-2000

脳卒中についてStroke

脳卒中とは

卒中とは「突然起こる」という意味で、脳卒中とは脳の血管に突然起こる病気です。
基本的に前兆はありません。
脳卒中は、日本人の死因の第4位(2020年)で介護が必要になった原因の第2位(2019年)と重篤な病気です。
脳卒中には「脳梗塞」・「脳出血」・「くも膜下出血」があります。

脳卒中の代表的な症状

  1. 運動障害・感覚障害……
    片方の手足の力が入らない/動けない/しびれ
  2. 言語障害……
    言葉がでない/呂律がまわらない/会話にならない
  3. 運動失調……
    ふらふらする
  4. 視力・視野・眼球運動障害……
    視野の半分が見えない/ものが二重にみえる
  5. 頭痛……
    経験のないほど激しい頭痛

脳梗塞

脳梗塞

病態

脳の血管が細くなったり、詰まることによって脳に血流が流れなくなり、脳が壊れてしまう病気です。いわゆる動脈硬化で血管がゆっくり細くなったり、心臓でできた血の塊が脳に飛んで急に詰まることもあります。
脳梗塞は時間経過とともに大きくなる病気です。 一旦脳 梗塞 が 完成してしまう と治療はできませんが、 脳梗塞になりつつある 「ペナンブラ」という領域は迅速に治療すれば 助かることもあります。 脳梗塞が進むスピードは個々によって異なるため、症状発現よりなるべく早く病院に来ていただいて治療すれば症状が改善することもあります。

検査

頭部CT・頭部MRI・血管造影検査

治療

先程いったような脳梗塞になりつつある「ペナンブラ」を助ける治療法は現時点では2つしかありません。1つ目は t-PA(ティーピーエー)という強力な血液サラサラの点滴のお薬を使って、血の塊を溶かします。2つ目は急性期血行再建術という手術です。カテーテル治療で、詰まっている血の塊をステントという金属を絡ませたり、吸引のできるカテーテルで直接吸引して血の塊を除去します。脳梗塞が完成してしまうと以上の二つの治療もできなくなるため、症状が発現すればすぐに病院を受診してください。また、脳梗塞は再発をしやすい病気のため、入院後は、再発予防のため血液サラサラの薬を内服し、症状回復のためのリハビリテーション、高血圧・高脂血症・糖尿病などの動脈硬化の危険因子の治療も行います。

脳出血

脳出血

病態

脳の中の血管が切れて脳の中に出血する病気です。
出血した場所により多彩な症状を呈しますが、手足の麻痺・意識障害を伴うことが多い病気です。原因の多くは高血圧です。

検査

頭部CT・頭部MRI

治療

基本的に脳出血は一瞬で脳が壊れてしまうため、脳出血を起こした脳を助けることはできません。しかし、脳出血が大きいと命に関わる可能性があるため手術を行います。手術法は二つあります。一つ目は内視鏡手術です。500円玉程度の穴をあけて、そこから小型のカメラと吸引器を用いて血の塊をとってきます。二つ目は開頭手術です。内視鏡では困難な場合は直接頭蓋骨を大きく開けて手術を行います。場所によっては手術ができない場合もあります。術後は、リハビリテーションを行い、高血圧・高脂血症・糖尿病などの動脈硬化の危険因子の治療も行います。

くも膜下出血

くも膜下出血

病態

多くの原因は動脈瘤という脳の血管にできた『コブ』の破裂が原因です。破裂すると、くも膜下腔というところに出血が及びます。脳神経外科の病気の中では重篤な病気の一つで1/3の方はすぐに命を失ってしまいます。

検査

頭部CT・頭部MRI・血管造影検査

治療

くも膜下出血が起こると、体の中で血を固めようとする機能が亢進するため、一時的に破裂した点にかさぶたができ、止血されます。しかし、そのかさぶたは脆弱なため、簡単に再出血を来します。再出血を起こすとさらに命の危険性が増すので、再出血を起こす前に手術を行い、再出血予防を行います。手術法は二つあります。一つ目はコイル塞栓術というカテーテルの治療です。太ももの大きな血管にカテーテルを入れて、動脈瘤に到達させます。そこからコイルという金属で動脈瘤を 充填させます。二つ目は開頭クリッピング術です。頭を開けて、直接顕微鏡で動脈瘤を観察し、クリップで動脈瘤を挟んで再出血を予防します。
手術の多くは48時間以内に行います。術後2週間は、脳血管攣縮といって脳の動脈が縮み、脳梗塞になりやすい時期ですので全身管理を行います。2週間経てば、本格的なリハビリテーションが始まります。

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当院は救急指定病院および一次脳卒中センターです。
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※当ページ内の図は公益社団法人日本脳卒中協会くまモンの脳卒中ノートより一部抜粋させていただいております

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